キャタピラー：驚きを秘めたバー家具

プリヤム・ドシによる機能性とアートの融合

「キャタピラー」は、見た目の彫刻的な美しさだけでなく、その秘密に隠されたバーとしての機能により、人々を驚かせます。手作業による精密な工芸技術と、無垢の白樺木を用いた緻密なエンジニアリングが、この家具のユニークな特性を形作っています。キャタピラーの足としてデザインされたノブを回すことで、バーのセグメントが回転し、30から40本のボトルやワイングラスなどを収納するスペースが現れます。

このプロジェクトは、家具市場における多機能キャビネットの需要と供給を調査することから始まりました。オンラインとオフラインのリサーチを通じて、市場には独創的でありながら高い機能性を持つバーキャビネットがほとんど存在しないことが明らかになりました。この洞察から、機能性だけでなく、デザインの面でも際立つ家具を創造することが目標とされました。

製作過程では、白樺木を蒸し曲げる試みが最も困難であり、初回の試作は成功しなかったものの、改良を重ねることで、この技術を成功させることができました。また、円形のモジュールを作るための木材の接合と仕上げも、大きな技術的挑戦でした。

「キャタピラー」は、その見た目の静けさとは裏腹に、回転させることでそのいたずらな魅力を明らかにします。イタリア製の水性マット仕上げが施された白樺木の手作業による細工は、その曲線と個性を際立たせています。バーのセグメントは、スムーズな回転を実現するために精密に設計されており、機能性とデザインの両面で、所有者に喜びを提供します。

2022年11月にプロジェクトが開始され、同年11月に完成。インドの「Raw Collaborative 5th Edition」で展示されました。このデザインは、2024年にA' ファニチャーデザインアワードでブロンズ賞を受賞し、その創造性と独創性が高く評価されました。